カラマーゾフの兄弟(第3回)
アリョーシャ・カラマーゾフが少年たちに演説しています。
少年に「小鳩ちゃん」と呼びかけています。
鳩 го́лубь → その指小形が голу́бчик 小鳩ちゃん
辞書では「愛しい人」と訳されています。
そして、この場面では、少年を小鳩と呼ぶ理由が述べられています。
Голу́бчики мои, — дайте я вас так назову — голубчиками, потому что вы все очень похожи на них , на этих хорошеньких сизых птичек.
僕の小鳩たちよ — 僕は君たちをそういうふうに小鳩と呼びましょう。なぜなら、君たちは皆、あの可愛らしい青みががかった灰色の小鳥たちととてもよく似ているからです。
ドストエフスキーは голубчик(小鳩) という表現が好きだったのでしょうか?
小鳩と呼ぶ場面は『貧しき人々』(1846年発表)でも出てきます。
NHKテキストから離れますが、私はこんな表現に出くわしています。
Варенька, голубчик мой, бесценная моя!
ワーレンカ、私のかけがえのない愛しい人!
これは好きな女性に対する呼びかけの表現として出てきています。
知ったかぶりに書いていますが、
私は『貧しき人々』を原書で読んだわけではありません。
どこに出ていたかというと、
『ロシア語のメール・手紙の書き方』という学習書 p.281 からの孫引きです。
(参考文献)
ちなみに、『貧しき人々』の光文社古典新訳文庫版の翻訳者は、
今回のNHK応用編の講師である安岡治子先生なんですね。
安岡治子先生はドストエフスキーに精通されている先生なんですね。
それでNHK新講座のトップにドストエフスキーが来たのもわかってきました。
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感動してます、このエピローグ。ちょっとウルウルきます。先生も講師の方の声も最高・こうして文学鑑賞できるのは、ありがたいですね。~~チカ、チクの響きもかわいい。~~ちゃんと同じかな?( ^)o(^ )
投稿: ochaya | 2017年10月13日 (金) 06時40分
ochayaさん、こんにちは!
今回の応用編は、これまでのNHK応用編と違って、大学での講義のように感じています。
こんな雰囲気もまた良いのかなと思ってます。
ドストエフスキー自身が持っている雰囲気が講義にも影響を与えている感じもします。
講師先生自身の思いも入っているのでしょうかね。
ともかく前回とは少し違った雰囲気ですね。
田舎者にとっては自宅で講義が聴けるのはありがたいです。
投稿: ハシム | 2017年10月13日 (金) 15時26分