牝牛(準備編)
1月のNHKラジオ講座応用編は、『牝牛』の購読です。
実は、この作品は初めて知りました。
この作者アンドレイ・プラトーノフについても初めて聞いた名前です。
1月号テキストに基づいて紹介します。
アンドレイ・プラトーノフ(1899~1951)
モスクワの南、ヴォロネジ近郊に鉄道修理工の息子として生まれました。
知識人ではなく、プロレタリアート出身です。
1917年のロシア革命を熱心に支持します。
1930年代になって、共産党の官僚主義に反対し、
革命の意味を問い直す作品を発表しますが、国内では出版は許されませんでした。
作品の特色
人間の孤独を孤児性【сиротство】と捉えます。
その孤独から抜けだし、血のつながりのある関係【родство】を希求します。
人間や動物だけでなく、植物や機械までにも生きている魂を感じ、交感します。
作品のタイトルについて
本作品のタイトルは、 корова 牝牛
ところで、牛はオスとメスとで単語が違います。
корова 牝牛(メス牛)
бык 牡牛(オス牛)
ロシア語では動物のオス・メスで名前が違うのがやっかいですね。
そんなに厳密に区別して何の意味があるのか?と思ったりしますが、
私の独断ですが、
乳を出すか出さないか、力の強さの違いなんかが重要なのかな?とも思います。
さらに、大人の動物か子どもの動物かでも呼び名は違います。
さらに子どもの動物の場合、単数か複数かでも大きく違います。
これもなかなかやっかいです。
下に一覧表でまとめておきます。
オス メス 子ども単数 子ども複数
ウシ бык корова телёнок телята
ニワトリ петух курица цыплёнок цыплята
ネコ кот кошка котёнок котята
ヒツジ баран овца ягнёнок ягнята
ブタ хряк свинья́ поросёнок порося́та
また、こういった家畜類では女性名詞が総称となり、
メスを表すだけでなく、その家畜全般を意味しています。
つまり、курица、кошка、корова 、овцаは
メスのニワトリ、メスのネコ、メスのウシ、メスのヒツジを表すと同時に、
ニワトリ、ネコ、ウシ、ヒツジそのものをも意味します。
(参考文献) 現代ロシア語文法中・上級編p.19
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