ロシア語学習でのソビエト・ノスタルジー
こんな例文に出会いました。
Была осуществлена ликвидация кулачества, как класса.
階級としての富農層の絶滅が実現された。
как にはいろいろな使い方がありますが、
ここでは、「~としての」という使い方です。
この場合、
「кулачества」, как 「класса」 という形になり、
どちらも「生格」で一致するのがポイントのようです。
この文法の説明ではなく、例文の内容にノスタルジーを感じました。
この例文を見つけたのは、
1976年発行の和久利誓一『テーブル式ロシア語便覧』という本です。
もちろん、今は絶版でしょうね。
なぜか私の手元にあるんです、これが。
少し、茶色っぽくなってしまって、紙の質も粗末な本ですが・・・。
私の学生時代に買っていたものですね。
47年前に出会えて、懐かしいです。
ロシア語を少し思い出すだけでなく、
私の貧しい青春時代をも少し思い出させてくれるありがたいものです。
この本、よく捨てずに持っていたものです。
捨てたものも多いんですけどね。
この本はなぜか捨てられなかったようです。
当時からロシア語はメジャーな外国語にはならないだろうとは思ってました。
この予想は当たってました。
そして、今や、ますます衰退していっているのではないでしょうか?
とにかく、ロシアに対するイメージが悪すぎます。
やっぱり、プーチンのウクライナ侵攻は大失敗だったと思います。
政治とロシア人そのものは別だとは言われますが、
しかし、侵攻を許している(阻止できなかった)ことには何らかの責任はあるのではないかと思います。
こんなかたちで、ロシア語学習の意味を問われる時代がこようとは夢にも思ってませんでした。
もう一つだけ、時代を感じさせる例文を挙げておきます。
Борьба с оппортунизмом и с правой опасностью,как с главной опасностью.
日和見主義および、主たる危険としての右翼の危険との闘争
с правой опасностью,как с главной опасностью
同じ要素の「 с + 造格」を как でつないでいます。
こんな時代を思わせるこの二つの例文に出会いたい方は、
『テーブル式ロシア語便覧』p.215をご覧ください、
って、この本、誰も持ってませんよね(笑)。
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