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ロシア文学からの贈り物(応用編)

2018年2月 7日 (水)

牝牛(第8回)

『牝牛』もいよいよ最終回です。

この放送を通して、

プラトーノフという作家を初めて知ったし、当然、この作品も初めて読みました。

語学の勉強は、単に語学そのものだけでなく、

新しい世界の存在に気づかせてくれるので、古びた頭にとっては良い刺激になります。

 на другой день 翌日(別の日じゃないのですね。)

 無人称動詞 хвата́ть / хвати́ть +生格 十分、足りる、やっていける

(例文)

У меня не хватает времени. 

私には時間が足りない。

У меня не хватает денег.

私はお金が足りない。

Десяти́ рублей хватит до конца недели.

週末まで10ルーブルあればやっていけるだろう。(いつの時代の例文?(笑))

Этих запасов нам хватит на целый месяц.

これだけの蓄えがあればまる一ヶ月やっていけるだろう。

 хватит 【無人称述語】ちょっと違った使い方

   ~するのはもうたくさんだ

(例文)

Хватит вам шутить. 君の冗談はもうたくさんだ(冗談はやめてくれ)

 пусть の使い方いろいろ

 三人称命令形

  【指示】Пусть она придёт сюда.

       彼女をここに来させろ。

  【許可】Пусть он спит спокойно.

       彼を静かに寝させておけ。

  【祈願】Пусть вечно цветёт нерушимая дружба народов СССР.

       ソ連邦諸民族の揺るぎなき友情が永遠に栄えますように!
       (何十年前の例文でしょうか?今となっては、パロディ!)

 たとえ~でも

Пусть он ошибся,но ошибку можно исправить.

たとえ、彼が間違ったとしても、間違いは直すことができる。

 ~でかまわない、けっこうだ

Мне пусть меньше. 僕の取り分はより少なくてかまわない

(これが本課で出てきた用法)

ワーシャが書いた素直な作文に対してスターリン時代の文学官僚たちは何を恐れたのでしょう?

「僕の取り分はより少なくてかまわない」という少年の飾り気のない正直な思いを

不当な取り分を得ている自分たち官僚への当てつけだと勝手に思い込んだのでしょうか?

疑心暗鬼に支配されたソ連社会の滅亡をも予感させてくれるような気もします。


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2018年2月 5日 (月)

牝牛(第7回)

この課では、なじみのない形容詞が多く出てきました。

たとえば、

 なじみのなかった形容詞

угрю́мый 不機嫌な

непоня́тливый 物わかりの悪い

робкий 臆病な

чуткий 敏感な

 「不定動詞に接頭辞をつけると不完了体」の例外で、完了体動詞になる例

 接頭辞сをつけると「行ってくる」の完了体動詞となる

 

съездидь 乗り物で行ってくる

сходить 歩いて行ってくる

сбе́гать 走って行ってくる

(例文)

Утром он сбегал в аптеку за лекарством.

朝、彼は薬局に薬を買いに走って行ってきた。(今は戻っているんですね。)

私にとって、注目すべき連語もいくつか出てきました。

たとえば、

 с тех пор それ以来

 среди дня 日中(にっちゅう)

 на воле 自由に

 стоять на месте 動かない

文学作品に出てくる単語や用法をどこまで現代の日常会話に生かせるか難しい問題ですね。

私はまだ文語的表現と口語的表現の区別もよくわっていないので、

「~です」と言いたいところが、「~にてそうろう」なんていう言い方になってしまっているのではないかと不安です(笑)。

文法的に正しいかどうかは、私にとって、いまだ最重要ですが、

それに加えて、自然な語結合かどうかについても気をつけていきたいと思ってます。

ただ、田舎者の独学者にとっては、かなり厳しいものを感じていますが・・・・・。


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2018年2月 3日 (土)

牝牛(第6回)

『牝牛』はソ連時代に書かれた小説です(1938年執筆)。

「コルホーズ」なんていう私が学生時代に習ったような単語が出てきます。

ただ、文学官僚の妨害のため、この作品が世に出るのは、1965年になってからです。

しかし、なぜ、発表禁止になったか、全くその理由がわかりませんね。

文学官僚の臆病さ、愚劣さみたいなものを感じるだけです。

今では、この作品、ロシアの学校の教科書にも取り上げられているとか。

 「叫ぶ」もいろいろ

кричать / крикнуть 叫ぶ

вскрикивать / вскрикнуть 急に叫ぶ

  вс、вз ・・・・ 「上へ」とか「急激に」といった意味を加える接頭辞

кликать / кликнуть 叫ぶ

  крик( 叫び声) という単語はあるが、клик という単語はないみたいですね。

 сы́пать 振りかける

現在変化形

сы́плю, сы́плешь, сы́плет, сы́плем, сы́плете, сы́плют

 Вася посыпал ломоть хреба солью.

   ヴァーシャは一切れのパンに塩をかけた。

 посыпа́ть / посы́пать [対格]に[造格]を振りかける

 обнимать / обнять 抱く

обнять 変化形

обниму́, обни́мешь, обни́мет, обни́мем, обни́мете, обни́мут

 окно「窓」を使った表現

в о́кнах 家の中から窓の外を見て、「窓の外では」の意味
          「窓の中で」といった感じもしますが、少し違うみたいですね。

Ещё был серый свет в о́кнах.

窓の外ではまだ光は青かった。

в окно́ 家の中から「窓の外を」、家の外から,窓越しに「家の中を」見る、
         両方あり。

Он посмотрел в окно́. 

彼は窓の外を見た。

Он посмотрел в окно́ в комнату. 

彼は外から窓越しに家の中を見た。


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2018年1月26日 (金)

牝牛(第5回)

この課では農業関係の専門用語が出てきます。

しかも古い時代のもののようです。

そういったところは、現代ロシア語(会話)などに関係なさそうなので、無視していきます。

ここでは、

今日でも応用できそうな単語や表現を取り上げます。

【動詞編】

 пахать / вспахать 耕す

現在変化形(語幹交替、アクセント注意)

пашу́, па́шешь, па́шет, па́шем, па́шете, па́шут

 запа́хивать / запаха́ть 耕し始める

 сеять / посеять~の種をまく

 有名なことわざを思い出します。↓

  Что посеешь, то и пожнёшь.

    播いた種は刈り取らなければならない。(自業自得)

 ка́пать こぼす

  Коро́ва ка́пала слюно́й на зе́млю.

    牝牛は地面によだれを垂らしていた。

【形容詞編】

 покорный 従順な、おとなしい

 су́мрачный 陰気な、薄暗い

 привычный 慣れた

【連語編】

 время от времени 時折

純粋に文学鑑賞ですね。

現在の日常会話などにはあまり役立ちません。

目的をロシア語能力検定2級合格に特化するなら、この放送を聞く意味はありません。

でも、欠かさず聞いています。

なんだか、大学時代に戻った雰囲気になり、懐かしく感じています。

几帳面な先生とテーブルを挟んだ向こう側に若い学生さんがいてそうな気がしてきます。

数十年前の思い出話ですよ(笑い)。


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2018年1月19日 (金)

牝牛(第4回)

この課での私にとっての重要事項

【形容詞編】

 тяжкий 重い、苦しい

 тяжёлый とよく似た感じだが、その違いは・・・・?

 безысходный 出口のない

 равнодушный 無関心な

 покорный 従順な、おとなしい

 кроткий 第3課で出てきた形容詞 これも「従順な、おとなしい」 ほぼ同義か?

【動詞編】

 томить / истомить 疲れさせる、うんざりさせる

  よく似た意味の動詞がありそう → утомлять / утомить

 утеша́ть / уте́шить 慰める(アクセント注意!)

 заменять / заменить 代わりをつとめる

 му́чаться = му́читься 苦しむ 

   му́ка 苦悩

 мычать / промычать (牛が)モーと鳴く  擬声語的?

 подавлять / подавить 鎮圧する、圧倒する

 обессиливать / обессилить 無力化する

 обманывать / обмануть だます

【連語】

 нужда в +前置格  ~の必要

 не в силах+動詞不定形 ~できない

このページは誰かに伝えるためというより、自分自身の確認のためといったページです。


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2018年1月18日 (木)

牝牛(第3回)

この課で出てきた単語や表現で、2級合格に役立ちそうなものを書き出します。

 во́зле+生格 ~の近くに 

 во́зле палисадника 柵で囲った庭の近くで

 остерегаться / остеречься 避ける

 зажигать / зажечь 点火する 

 зажечь 過去変化形

 зажёг, зажгла́, зажгло́, зажгли́

  命令形 зажги́

 Мать зажгла́ лампу. 母さんはランプに火を灯した。

 сажать / посадить 植える

 загу́ливать / загуля́ть 飲酒にふける

гуля́ть(散歩する)を少し変えると、びっくりするような意味になります。

 нару́жу 外へ

 関連語

 снару́жи 外から (第1課で出てきた単語です。)

 нару́жный 外側の、外用の

 уныло  元気なく (初めて知った単語

 関連語

 унылый 気落ちした、気を滅入らせるような

 кротко 従順に、おとなしく (初めて知った単語

 関連語

 кроткий 柔和な、おとなしい

  короткий と間違わないように注意!

 поправляться / поправиться 健康を回復する

この課で内容的に考えさせられるのは、「植物栄養(自立栄養)」についてでした。

多くの場合、人間は他の生き物を殺してその肉を食べて生きていきます。

そうしないで生きていけないもか。

人間が植物と同じように、水と土だけで生きていける新しい生命体になるという思想は魅力的です。

これを考えたロシアの思想家がいます。

それは、ニコライ・フョードロフ(1828~1903)

この課では、子牛を売られて悲しむ牝牛が描かれていますが、

人間が、「植物栄養(自立栄養)」できるようになれば、

子牛や牝牛にとっての悲劇は起こらなかったはずです。

作者プラトーノフは人間や動物を同列に考える人ですから、

「植物栄養(自立栄養)」の思想の現実化をしみじみと感じたのではないでしょうか。


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2018年1月12日 (金)

牝牛(第2回)

この文学作品のなかから2級試験に役立ちそうなところを抜き出します。

 жевать 噛む (変化が独特な動詞)

現在変化形

жую́, жуёшь, жуёт, жуём, жуёте, жую́т

命令形 жу́й

 утомлять / утомить 疲れさせる

  утомлённый 疲れた

 задумываться / задуматься 物思いにふける

  задумчивый 物思いに沈んだ

 заму́чить へとへとに疲れさせる、苦しめる

  Жар замучил ребёнка.

    暑さが子どもをへとへとにした。

  му́ка 苦悩   アクセントが違うと・・・мука́ 粉

 отдавать / отдать +対格+与格 

     ~を~に充てる、費やす、捧げる

  Он отдавал все силы науке.

    彼はすべての精力を学問に費やした。

 вкладывать / вложить+対格+в+対格

    ~を~に注ぐ、こめる、打ち込む

  Корова вкладывала свою силу, ду́шу, любовь в производство молока и в работу.

   牝牛は自分の力、魂、愛情をミルクの生産と仕事に傾注していた。

 нагибать / нагнуть 曲げる、かがめる

 бок 脇腹

  вбок 脇へ

 文学鑑賞まではいきませんが、せめて少しでも2級テストに役立ちそうなところをまとめていきます。

そして、「プラトーノフ的言語」を少しでも感じられれば幸運です。


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2018年1月11日 (木)

牝牛(第1回)

1月のNHK応用編はソ連時代の作家、アンドレイ・プラトーノフの『牝牛』の講読です。

名詞の再確認

корова 牝牛

бык 牡牛

телёнок 子牛

動詞の確認

 выкра́шивать / вы́красить 色を塗る

   関連語句

 кра́сить / покра́сить 色を塗る

 выздора́вливать / вы́здороветь 全快する

 скучать 退屈する、寂しがる

 (例)

 скучать от безделья することがないので退屈する

 скучать по своим друзьям 友達に会ってないので寂しい

 同じ意味を別の言い方で言う

移動の動詞を使った言い方(в対格) と бытьを使った言い方(в前置格)

下の二つは意味的に同じ

К ней в гости приходил мальчик.

У неё в гостях был мальчик.

彼女のところに少年が遊びにやってきた。

応用編の講読は、日常会話の練習には役に立ちそうにありません。

でも、純粋に文学鑑賞として、根気強く読む癖をつけたいものです。

昔の大学時代の講義みたいなものを思い出します。


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2018年1月 9日 (火)

牝牛(準備編)

1月のNHKラジオ講座応用編は、『牝牛』の購読です。

実は、この作品は初めて知りました。

この作者アンドレイ・プラトーノフについても初めて聞いた名前です。

1月号テキストに基づいて紹介します。

 アンドレイ・プラトーノフ(1899~1951)

モスクワの南、ヴォロネジ近郊に鉄道修理工の息子として生まれました。

知識人ではなく、プロレタリアート出身です。

1917年のロシア革命を熱心に支持します。

1930年代になって、共産党の官僚主義に反対し、

革命の意味を問い直す作品を発表しますが、国内では出版は許されませんでした。

 作品の特色

人間の孤独を孤児性【сиротство】と捉えます。

その孤独から抜けだし、血のつながりのある関係【родство】を希求します。

人間や動物だけでなく、植物や機械までにも生きている魂を感じ、交感します。

  作品のタイトルについて

本作品のタイトルは、 корова 牝牛 

ところで、牛はオスとメスとで単語が違います。

корова 牝牛(メス牛)

бык 牡牛(オス牛)

ロシア語では動物のオス・メスで名前が違うのがやっかいですね。

そんなに厳密に区別して何の意味があるのか?と思ったりしますが、

私の独断ですが、

乳を出すか出さないか、力の強さの違いなんかが重要なのかな?とも思います。

さらに、大人の動物か子どもの動物かでも呼び名は違います。

さらに子どもの動物の場合、単数か複数かでも大きく違います。

これもなかなかやっかいです。

下に一覧表でまとめておきます。

       オス        メス         子ども単数       子ども複数

ウシ    бык      корова    телёнок     телята

ニワトリ  петух   курица    цыплёнок   цыплята

ネコ     кот           кошка          котёнок        котята

ヒツジ   баран    овца       ягнёнок        ягнята

ブタ    хряк     свинья́   поросёнок  порося́та

また、こういった家畜類では女性名詞が総称となり、

メスを表すだけでなく、その家畜全般を意味しています。

つまり、курица、кошка、корова 、овцаは

メスのニワトリ、メスのネコ、メスのウシ、メスのヒツジを表すと同時に、

ニワトリ、ネコ、ウシ、ヒツジそのものをも意味します。

(参考文献) 現代ロシア語文法中・上級編p.19


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2017年12月30日 (土)

巨匠とマルガリータ(8)

『巨匠とマルガリータ』の最終回です。

この課でも前課で出てきた仮定法が登場します。

 Я хочу, чтобы мне сейчас же, сию секунду, вернули моего любовника, мастера.

私は、今すぐ、この瞬間に、私の愛する人、巨匠を私に返してくださることを望みます。

 この文章も、чтобы+過去形で願望を表す仮定法になっています。

 この課では、耳慣れない、難しい単語がたくさん出てきます。

例えば、

 распахиваться ・ распахнуться 広く開けられる

 растрепать 髪の毛などをくしゃくしゃにする、本などをぼろぼろにする

  растрёпаный (被形過)くしゃくしゃになった、ぼろぼろになった

 исступлённый 極度に興奮した、無我夢中の

 простирать・простереть (手を)伸ばす

 искажать・ исказить ゆがめる

 величественно 壮大に

 ничком うつ伏せに

 しかし、どこまで覚えたらいいのでしょうね?

ロシア語検定2級合格のためだけなら、ここまで覚えなくてもいいようにも思います。

ただ、文学作品などを読んでいくには、「感じ」で想像できる程度まで親しくしたいですね。

 応用編『巨匠とマルガリータ』が終わっての感想

こんな機会でもなければ、絶対に読むことのなかった作品です。

ほんの一部ですが、新しい世界に触れることができました。

こんなことも外国語を学ぶ効用のひとつかもしれませんね。

何歳になっても好奇心を失わずにいたいものです。


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